花瓶─狂気の恋─


「そんなの言って何になんの?用は済んだでしょ?私帰る。」


そう言って真帆は立ち上がると、雫は一緒に立ち上がって真帆の腕を掴んだ。


「待って。まだ話していないことがある。座ってちょうだい。」


ギュッと強く握られ、真帆は痛みに顔を歪めた。ほぼ強制的な要求に真帆は苛立っていたが、言われたとおりに腰をかけた。


「...まだ言ってないのは今後の話よ。私があなたにする手助けのこと。」


「手助け?じゃあもう目の前から消えてくれる?鬱陶しくて、先輩に集中出来ないからさ。」


「それでもいいわ。私はあなたの話さえ聞ければ電話越しでも構わない。ただ....気掛かりなのはあなたのこと。」


「私?」


雫は真剣な表情で真帆を見つめる。その張り詰めた空気で、真帆は大きく喉を動かす。


「悠雅君のためにあなたは手を汚していく。あなたは悠雅君と一緒になるのが全てだと勘違いしている。」


「勘違い?どこがよ。私はそれでいい。それが私にとっての幸せなの。」


「あなた自身のケアが必要なの。確かに悠雅君と一緒になれば全て住む話かもしれないけれど、それまでの間は?あなたはボロボロになっていく一方、もしかしたら途中であなたが倒れてしまうかもしれない。」