「あなた...勘違いしてるわね?」
「は?」
「何で自分の意見が通ると思ってるの?弱味を握られているのは誰?有利な立場にいるのは誰?敬語を使って気を使わないといけないのはどっち?」
「あ、あんた....結局は...」
真帆はギリッと歯ぎしりをした。味方と言いつつ、結局は上下関係を続けようとする女性に怒りに近い憎しみを持った。
そんな真帆を見て女性はクスッと笑った。
「ふふふっ冗談よ冗談。今更そんな事を使わないわ。私はあなたと対等の立場にいたと思ってるの。お互いWinWinの関係ね。
だから、ここまで来てくれたお礼も兼ねて、あなたが知りたがってる私の事を教えてあげるわ。」
女性は隣の椅子に置いていた鞄を漁ると、一冊の本を手に取り真帆に差し出した。
「...何これ?読書会でもしようっていうの?」
「違うわよ。それ、私が書いたの。本屋とかで見かけたりしないかしら?」
そう言われ、真帆はその本を手に取って表紙を見る。それは有名な小説だった。本屋だけでなく、コンビニの小さな本棚にも大きく掲載され、ネットでも注目の的。テレビにも映ったくらいだった。
だが、作者はサイン会などは一切開かなく、作者の姿は知られていない。
「....嘘でしょ?あなたがこれを?」



