そんな想いを胸に真帆は放課後の視聴覚室へ入った。
だが、そこでは悠雅の姿はいなく、先生が教壇に立っていて他の部員がかしこまって座っていて何やら重い雰囲気。
真帆は棒立ちしていると、先生はようやく真帆に気が付いた。


「神崎さん...適当な所に座って話を聞いてくれる?」


「....千紗...先輩の事ですか?」


先生はゆっくりと頷くと真帆は目線を下にして、顔を見せないようにした。


「...嫌です。そんな話聞きたくもないです。」


「神崎さん...辛いのは分かるけど、話し合いをしなきゃいけないの。もしかしたら鷹宮さんがいる場所が分かるかもしれないし、いなくなった原因もあるかもしれない。
それに今後の部活の方針も...だから神崎さん。お願いだから参加してくれないかな?」


「....分かりました。...部長はいないんですか?」


先生は少し言いずらそうな表情になりながらも、真帆に説明した。


「...寛城君は学校には来ているけど、今日は部活に参加しないわ。...今まで一緒だったのに突然姿を消したんだもの、仕方が無いわ。」


その言葉を聞くと、真帆は振り返った。


「....なら部長も参加するべきです。私...探しに行ってきます。」


真帆はそう言い残すと勢いよくドアを閉めて廊下を走った。後ろから先生が大声で呼び止める声が聞こえたが、真帆は構わず走った。