真帆はあることを気にかけていた。よくドラマで見かける傾向の事を。

憎んでいた、死んで当然の者を殺した。そいつを殺すことが自分にとっての目標、なのに殺した後罪悪感で押し潰させれてしまう。
殺してしまった、取り返しのつかないことをしてしまった、もっといい方法があった筈なのに...っと。

真帆は自分もそうなってしまうのではないかと不安だった。
たが、そんな事は起きなかった。寧ろ千紗がこの世から姿を消した事を考えれば考える程、にやけは止まらなかった。
後悔など一ミリも起きない、真帆は"やって良かった"と安心すら起きていた。

だが、どこか正直に喜べなかった。それはあの謎の女性のことが気になっていたからだ。


敵とは思えないがどこか黒い、モヤッとした存在が不気味に感じざるえない。
たが、どれ程怪しんでも真帆に選択肢はないのは真帆自身も分かっていた。


今、私は弱みを握られてる。あの時は言いくるめられちゃって見逃しちゃったから、あいつがどこにいるのか分からない。私に出来ることはこの栞に書かれている場所に行くしかない。
...もし私を騙していたのなら....絶対に許さない。少年院を出た瞬間に家族を皆殺しよ。


真帆は聞こえるはずもない誓いを立てていた。