誰もいない教室へ飛び込み、机の中に閉まっていた資料を取り出す。
「あった!....本当にこれだよね?」
ここで間違えてしまったらたまったものではない。ここは落ち着いて念入りに確認する。大きなタイトル、内容、晶子と持っていたものと同じものと確認できた。
時間を見てみるとやはり遅れている。この時計が正確かは分からないが、もし正確なら残り三分だった。
ここから全力で走ればギリギリ間に合う感覚はある。
すぐさま教室を出て、体育館目掛けて走った。廊下にはさっきまでの人混みはいなく、逆に誰もいない寂しい廊下を一人、ドタバタと走った。
帰宅部で何にも運動していない真帆にとって、これは鬼畜。
多少身体を動かしている人にとっては体育館に着く時には息が切れるが、真帆は中間あたりで息を荒くしていた。
もう...なんでこんな事ばっかり!なんでこんな貧乏くじばかり引かなきゃいけないの?私は何をしたのよ....ねぇ?神様...あんたどんだけ無慈悲なの?
そんな事を心の中から愚痴に近い訴えを思い、真帆は走り続けた。長い廊下を終えるとそこには階段、それを降りて外の廊下の先に体育館はある。



