千紗の頭の中は真っ白、思考が上手く回らなかった。真帆の言動に衝撃を受け過ぎて、口をポカーンも開けることしか出来なかった。
「あんたは私から色んなものを奪った....本来私にしか向けられる事を...悠雅先輩の目線、気持ち、時間、言葉、手を握ること、会話をすること、先輩と遊ぶこと....キリがない!!
先輩は私と繋がる運命なの!あんたみたいなたかだか"幼馴染"とかそんなクソみたいな肩書きに頼らない、先輩のことを誰よりも想ってる私が!先輩と一緒に生きる事を許される!!」
あまりにも理不尽な暴言、千紗自身悠雅を異性として見ることは多少なりともあったが、恋人に発展するなんて思ってもいない。
だから、それ程悠雅の事を意識することは無かったし、自分自身そんな行動をしていないと思っていた。
だが、真帆の異常な気持ち。頭が混乱している千紗にとっては異常ではなく、"周りからもそんな目で見られている"と勘違いしていた。
「わ、私...本当にそんなつもりじゃなくて....ゆ、悠とは親友で」
「もういい!!あんたのその猫かぶりはこの二ヶ月間嫌という程見てきた!!私の目は騙せない!!あんたは先輩にとって害でしかならない!いや、地球の汚点...害虫!!」
「ま、真帆....ちゃん...」
「あんたは誰にも求められてない!!私と先輩の邪魔をするな!!先輩にもう二度と色目なんて使わせない!!私と先輩との幸せを邪魔するやつは消えればいいんだよ!!」



