「...全身に電流が走って死んじゃうんです....死にたくなかったら死ぬ気で好きになってくださいね〜。」
悠雅は冷水の寒さもあるが、真帆の恐ろしさに心底怯えていた。
今度は素人でも分かる理屈、好きにならなければ死ぬ。
近付いていた死がいきなり目の前に来て、死神の鎌が既に悠雅の喉元を捉えていた。
真帆はスタンガンを濡れている首元に当て、顔を離してニコッと笑う。
「いきますよ...先輩は私の事が好き。どうです?」
悠雅は目を瞑り頭の中に意識を集中させた。死にたくない気持ちが膨張し、頭の中で必死に念じていた。
僕は真帆ちゃんが好き!真帆ちゃんが好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!!
死にたくない!死にたくない!死にたくない!!
悠雅は頭が痛くなりそうになりながらも念じ続けた。テスト直前に暗記をするように、頭の中に焼き付けるような感覚で必死に心の声で叫ぶ。
だが、ふとしたことでその叫びは止まり、死にたくないという願望が頭の中から消え去った。
なんで僕は生きようとしてるんだ?なんで泰河や千紗、他の人達を苦しませて殺したやつの事を好きになろうとしてるんだ?
僕はそこまでして生き長らえたいのか?
違う!そんなことで生きてなんになる!こいつは憎い仇だ!自分勝手な欲望で色んな人を傷付ける殺人鬼なんだ!



