花瓶─狂気の恋─


それは盗撮がバレたからではなく、笑顔で近付いてくる悠雅の顔を見れば大体想像はついていた。


「どう真帆ちゃん?上手く撮れてる?見せてみてよ。」


真帆は適当に撮った写真を素早く画面に表示して見した。


「ど、どうですかね?まだあんまり慣れてなくて...」


真帆はスマホを手前に引き戻すと、必要以上に悠雅に接近して見せた。
悠雅は真帆が見せてきた写真にしか興味を持てなかったのか、真帆の接近にはノーリアクション。

そんな悠雅に真帆はムスッとするがそれも一時の感情、すぐに脳がとろける感覚が襲ってきた。


あぁ....これが先輩の匂い...いい香り


まるで大自然の香り、包み込まれるような気分に浸っていた。

写真を見終わり、悠雅は少し距離を置いた。


「うん、よく撮れてると思うよ。それよりどう?部活動。何か勧誘した時、少し強引気味だった気がするからさ...少し心配だったんだ。」


「い、いえいえ!そんな事ありません!私....先輩の話聞けて良かったと思ってますし、部活動も楽しそうだし写真の興味も...」


「そ、そう!?だよね!やっぱり分かってくれると嬉しいなぁ〜。そうだ!特別に真帆ちゃんだけにアドバイスしてあげるよ。」


「え!?せ、先輩が私だけにですか!?」


悠雅はニコニコしながら頷くと、真帆は天にも登る嬉しさが沸き起こった。