花瓶─狂気の恋─


泰河は少し聞こえずらかったものの、真帆が千紗に麻紀、そして桃を残虐に殺したのを知っている。そして真帆の異常な言動も承知していた。
これから自分がどうなるのか、それを想像するのは簡単だった。


「こ、殺すのか?俺を....お前の悪行を知った俺を口封じに...」


真帆はバケツを捨てて、すぐ下に置いてあった金槌を手にした。暗闇でも分かる黒光りとその迫力に泰河は唾を飲み込む。


「....そんなつもりはないですよ?私は口封じに殺すことはしません。あくまで悠雅先輩との幸せな未来を築く為に動きます。
好かれただけで殺されるみたいな理不尽なことはしませんよ。」


「じゃあその金槌はなんだよ?」


「......殺しはしませんけど、口封じはしますよ。外へ出ても私達の事を何も言わないって約束出来ないなら、これで先輩を可愛がってあげます。
まぁ....そんなのは後でいいんで、ちょっと聞きたいことがあるんですよ。」


真帆は泰河の片手に手を置いて、膝を床へ着いた。下から目線で可愛らしい笑顔を向ける。
本来ならドキッと気持ちが高鳴る状況だが、今はただただ不気味でしかなかった。


「晶子のどこがいいと思ったんですか?」


「...は?」