花瓶─狂気の恋─


真帆の目はまるで刃物だった。見て感じられる刃物の冷たさと鋭さ、そんな目を向けられると心にその刃物が突き立てられるような気がした。
自分の欲望の為に人を殺し、それを何とも苦に思っていない。いとも簡単に人を殺せる殺人者へと化してしまったと晶子は感じてしまった。

殺人者の問いに晶子は何も答えられず、ただ涙を流した。殺人者との思い出がボロボロと崩れていく。

何も言えずにいると、真帆の顔には感情が現れていく。ニコッと笑って晶子の横を素通りした。


「晶子は待っててね〜。後でまた話そうね。
じゃあ先輩、どんな責任の取り方してくれるんですか?あ、デートしましょ!デート!一緒に買い物行って〜映画を見て〜お食事しましょ!先輩とデートか〜嬉しいな〜。どこ行きましょっか!」


「....自首してくれ...」


「自首ですか〜?あのゴミを処分しただけなのに〜?まぁ自首してもいいですけど....先輩が一緒ならいいですよ〜?一緒に落ちて牢獄の中で私を愛してくれるなら喜んでいきます。」


ヘラヘラ真帆が笑っていると、悠雅の表情が変わった。真帆の異常性に驚愕していたが、覚悟を決めた表情になっていく。真帆はそれが自分にとっての利では無いことを直観で感じた。

「...そうか....ならしょうがない....力ずくでさせてもらう!!泰河!!」