そんな言葉をかけても晶子の表情は変わらなかった。真帆の心の姿を見ようとしているように、目をしかめる。


「あ、ごめんねこんな所で。でも、手紙を送った通り、ここじゃないと話せない重要な事なの。」


「...何で手紙なの?スマホのメッセージでいいのに....」


「別にそういうのでもいいかなって思ったけど....晶子怒ってるの?本当にごめん!だけど、やっぱり聞いて欲しい。晶子に聞いて欲しい事なの。」


晶子は綺麗な真っ直ぐとした目で真帆を見つめる。これから真帆の言う話を誠心誠意で聞くという感じが真帆には凄い伝わっていた。

大きく深呼吸をして、真帆も晶子を見つめ返した。


「晶子...私は悠雅先輩が好き、大好きなの。これまでつまらなかった私の世界に息を吹き込んでくれた。何も興味を示せなかった私が夢中になれたの。晶子と同じ....それ以上の存在を見つけられた。」


「...うん、そうだね。悠雅先輩が好きって私に話してくれた時から、真帆は変わったって感じてたよ。人生を楽しんでる、そんな感じがした。」


「でもさ、そんな悠雅先輩に近付く気持ちの悪い虫がいてさ....その虫が私と悠雅先輩との仲を切り裂こうとするんだ。許せないよね?晶子にもその気持ち分かるよね?私がようやく見つけた生きがいを邪魔しようとするんだよ?怒らない?許せないよね?」