「.......中学二年生の時から...好きな人が出来て、付き合ったけど他の女も持ってて....それを排除するために...結局それが原因で別れちゃったけど....」
雫は小さく頷きながら手帳にボールペンを走らせた。
「桃さんはその女、憎くなかったの?」
そう聞かれ思い出す、あの気持ちが悪い女の笑顔を。一生忘れることの無い顔付きを。
「...憎かった。」
「殺そうって思わなかった?私の男に手を出した報いで殺してやる!って。」
「.......殺したりしたら人生滅茶苦茶になっちゃうし、そこまでしなくても排除出来るならそれに越したことないし....思ったりしたけど実行は...」
その答えを聞いた直後、雫はつまらなそうに溜め息を吐いて、椅子を片付け始めた。
「まぁそうよね、それが普通の考え。一線は超えちゃならないもの。超えてしまったが最後、その後には惨めな結末しかない。
だけどね、私の作品にはそんな人物必要ないの。普通の考えを持っている登場人物なんて脇役で十分だし、そんな人いくらでもいる。
それじゃあ楽しんで。」
雫は片付けた椅子を持って桃の前から消えた。最後の最後まで雫の意図が読めなかったが、最後の言葉の意味は理解出来た。
楽しんで?何を?そんなの決まってる....



