それは悠雅がもしその女の家に入って、出た後に変な違和感を感じた時、二度と近付けさせ無いために脅しで制するためだった。
桃は脅しを使わずに真帆を刺してしまった。桃はとんでもないミスを犯してしまった。だが、桃のミスはそれだけではなかった。それは真帆のプライベートの脅しの質だ。
真帆が千紗を殺し、麻紀を拉致したのを知らなかったのだ。夜な夜な悠雅の家の近くで盗聴しているのも、何かをしている程度でしか把握出来てなく、それから間もなくして麻紀のイジメが始まったので完全にマークしていなかったのだ。
そして今、自分が思っている以上の事を真帆に仕返しされるとは思いもせず、一人ビクビクと毎日を過ごしていた。
真帆を刺して退院するまでの一週間、桃の身には何も起こっていなかった。それが逆に不気味でしょうがなかった。
おかげで今日も授業の内容は入ってこなかった。
放課後になり、教室にいた生徒達は部活へと足を運んでいく。桃は鞄を手に取ると、さっさと教室から出て生徒玄関に向かった。
写真部は休部となっていた。千紗だけでなく麻紀が失踪した上で真帆が刺されている。証拠も何もないが、部活動に問題があるのではないかという理由でしばらくの休部が言い渡されていた。
いつもの桃なら、悠雅に付きまとう女の脅しネタ探しか悠雅をストーカーするのどっちかなのだが、そんな気分には到底なれない。



