「そう...だったんだ....」
「はい。最初に会ったあの時から、私の見ていた世界が変わったんです。私は先輩に感謝しています。そして....私の初恋の相手が先輩で本当に良かった...」
そう言いながら真帆は悠雅との距離を更に縮めた。顔の筋肉が和らいで口元を徐々に悠雅の方へ向かっていく。
バクバクと心臓が跳ねて、息も荒くなっていく。身体が熱くなり、いよいよこの時が来ると真帆は興奮していた。
「先輩....私...本当に本当に....先輩の事....愛してます。」
真帆は目を瞑り、悠雅の唇に向かってキスをした。自分の唇に感覚がある、遂に自分は悠雅とキスをすることが出来た。
もっと肌で悠雅を感じたい、今までの二ヶ月分の悠雅の成分を真帆は全身で受けたかった。
だが、真帆はある違和感に気が付いた。それは自分の唇に当たっている感触は悠雅の唇ではないと。
目を見開くとそこには悠雅の手があった。悠雅の手が真帆とのキスを拒否したのだ。
全く予想だにしていなかった事に、真帆は目が点になり思考がグチャグチャに混ざっていく。
「へ?....先輩...?」
「ごめん真帆ちゃん....僕....真帆ちゃんとキス出来ないんだ....」
何を言っているのか理解出来なかった。自分の演技は完璧で雫のプランもちゃんと守っている。失敗するわけがないと思っていた。



