麻紀は軽い口調で煽ってくる真帆の姿に驚いていた。自分の足元で泣く事しか出来なかった真帆の態度の変わり様で、麻紀はあることに気がついた。

それは動画を撮った真犯人。強気な態度を見せているのが本来の真帆の性格だと確信する。麻紀の心の中に怒りという感情が生まれ、徐々に膨れ上がっていく。


「真帆....あんたが鶴のスマホで...」


「逆に他にいます?私の演技が素晴らしいからって見失っちゃいけないですよ。脳みそすら脂で出来てるんですか?」


「あんた....よくも...よくもよくもよくも!私の人生無茶苦茶にしやがって!」


「人生?豚先輩は人じゃないから人生なんて言わないですよ?それに、無茶苦茶にしてるのはどっちが先ですかね?」


真帆の言葉に麻紀は何も言い返せなかった。そう、悪いのは結局の所自分。自分が仕掛けたせいでこうなっている。
麻紀が悔しそうに黙っていると、真帆は笑った。


「あはははは!まさか、全て自分のせいだと思ってるの!?確かにあんたが先に仕掛けたことだけど、途中から私の餌でしかないのよ?」



「....!どういうこと!?」



「私はあなたにいじめられた。その理由は?それは悠雅先輩のと取り合いで。つまり、悠雅先輩が原因な訳。優しい先輩なら私の心配をして明日にでも駆け付けて来るでしょう。