自然と出ようとしてきた叫び声は、真帆が既に手にしていたタオルを押さえつけられ阻止された。
抵抗しようとするも、両手の痛みが凄すぎて何も出来ず真帆の思うままになっていた。


「....今からタオル外しますけど、もし逃げようとしたり叫び声をあげようとしたらまた殴りますからね。」


酷く冷たい声、凛は今までいじめられてメソメソしているような真帆のイメージが一気に崩された。そして同時に凛はある事に気付かされた。


これは絶対に復讐だ!殺される...絶対殺されちゃう!言う通りにしてもしなくても!


凛は痛みと恐怖で震えながら小さく頷いた。
大和通りと現在地は少し距離があり、大和通りはそもそも人があまり通らず、時間帯も遅い。叫び声を上げたとしても気付いてもらえるとは限らない。失敗したら今以上に酷いことをされる。

だが、凛には迷っている暇は無かった。生きるためには叫ばなければいけなかった。

凛の口からタオルが離れて一呼吸つけると、凛は大声で助けを呼ぼうとした。
だが、声を発する直前に再び真帆に口を抑えられた。

あまりの反射速度に青ざめる凛に真帆は不気味な笑顔を向けた。


「やっぱりやると思いましたよ〜。まぁ気持ちは分からなくはないですが....約束破ったの