「...恋......私は、悠雅先輩に一目惚れしちゃったの?....」
真帆はボソッと呟いた。正直驚いていた。
どれにも熱中することなく、ただただ生きていただけの今まで。これほど胸が踊らされるのは初めての経験。まさか、こんな自分が恋をする時が来るとは思わなかった。
恋と自覚するだけで、頭の中に浮かぶ悠雅の顔が更に輝く光り、胸が締め付けられる。
「悠雅先輩....はぁ...早く会いたい。私、あなたに早く会いたいです....」
胸が締め付けられ、自分の欲求が言葉に現れる。そこで色んな妄想が頭の中を駆け巡る。
悠雅先輩と話している、悠雅先輩と歩いている、悠雅先輩と一緒に部活動、悠雅先輩と勉強会、悠雅先輩とお出かけ、遊園地、映画、買い物、夜景...
妄想すればする程止まらない。まるで急な下り坂をブレーキが効かない自転車で下っているよう。
ドキドキして苦しい。
結局真帆は食事時も入浴時、テレビを見ている時も悠雅の顔が浮かび、ドキドキして眠れなかった。



