最初に足をかけられた時から、真帆に麻紀達はしつこく嫌がらせをしてきた。真帆がいつまでも部活を辞めず、悠雅に近付こうとしたのが気に食わないのか、それとも弱い者をいたぶるのが楽しいのかは定かではないが嫌がらせはエスカレートしつつあった。


「なるほどね〜。部活内だと結構立場は上みたいね。顧問の先生も頭が上がらない立場?」


「いいえ、先生は知らないの。来る前にいたずら書きも消したし、調子が悪そうだとかそのくらいの印象を持たれるように工夫してるわ。」


麻紀達は上手く隠しているつもりかも知れないが、この一ヶ月間でいじめがバレていないのは真帆の努力があったからだった。不審なものは全て排除し、麻紀達が部活内で唯一逆らえない悠雅を初め、三年の生徒の目を欺いていた。



「.......ということは反論していないのね?その麻紀って先輩に。じゃあプランが出来ているわけね....害虫の栄養素をより良く花に与えるように....」


真帆は小さく溜め息を吐き、電話越しでも分かる雫のニヤケ顔を想像した。


本当になんで分かるのよ...絶対にストーカーされてるわ私....それか心読まれてる....



「えぇ。出来てるわよ....後二、三ヶ月で決行って感じね。」


「へぇ〜。じゃあ学園祭前だ〜。いいわね〜。じゃあ教えてくれる?そのプランを。」


「...あんたなら分かるんじゃない?私のプラン。」


「まぁ大体の想像は着く。だけど、一応言ってくれない?」