なに?この豚。炭豚じゃん。豚の口から同じ言語が聞けるとは知らなかった。世界初じゃん。


そう頭で思い浮かべると、思った以上に面白く、真帆はフッと鼻で笑ってしまった。それを見た黒ギャルはギリギリと歯ぎしりをして、真帆の頭を持って床へ叩きつけた。


「何笑ってんの!?ふざけんなよ!さっさと土下座で謝れよ!!」


真帆は笑いを堪え、黒ギャルの言う通りに手を添えて土下座で謝った。


「先輩の足に引っかかってしまって....本当にごめんなさい...すいませんでした....」


そう言うと黒ギャルはニコニコしながら腰を落とし、真帆の頭をポンポンと撫でながら耳元で囁いた。


「やればできるじゃん。初めっからそうしてれば良かったんだよ。あ、後一つ言いたいことがあるんだけど....
悠雅さんに近づかないでよ?あんたみたいな小汚い女が部長と釣り合うとでも思ってんの?さっきのやつもマジきしょいんだよ。」


本来なら先輩から低いトーンでこんな事を言われたら、誰しもが驚き、今後の生活が不安になるだろう。
だが、真帆はそうは思わなかった。真帆は雫の言っていた「害虫」の意味をようやく理解し、これから自分が何をすればいいのか分かった。


この豚が「害虫」...先輩の幼馴染である糞女が消えて、自分にもチャンスがあると錯覚し、今は私に嫉妬している。