真帆はゴクッと唾を飲み込み、イヤホンを自分の耳に付けて小型機械の電源ボタンを押した。
するとイヤホンから砂嵐のような音が聞こえた。結構前に趣味探しの際、購入した為期間が空いている。一瞬故障してしまったかと焦ったが、数秒後には砂嵐はやみ、何かの物音が聞こえた。
「「はぁ....真帆ちゃんには悪いことしたな〜。明日もう一回ちゃんと謝らないと...」」
イヤホンから悠雅の吐息混じりの声が聞こえた。真帆は鳥肌が立ち、目を見開きイヤホン先の音声に集中した。
「「御守り....か...千紗と小学生の頃に神社で貰ってから縁ないな。....御利益とか本当にあるのか分からないけど...なんだか安心する。」」
「はぁ....はぁ....先輩....先輩ぃ....」
真帆は耳元で聞こえる悠雅の声に魅力しながら、身体全体の力が抜けそうになっていた。
こんなにゼロ距離で先輩の声....吐息...やばい....本当にやばい....
聞いているだけで幸せ。やっぱりあの女は始末して良かったんだ....神様が私のしたことは間違っていないって言ってくれてる。そのご褒美なんだ...
壁に背を預けながら、ズルズルと下がり、真帆は胸元を片手で抑えながら地面に座った。いつも以上にドキドキしている。



