お嬢様はカモミールティーを 飲みながら小さなため息をついた。 その理由を知りたかったけれど お嬢様は、きっと教えて下さらない。 昔からお嬢様はそうだった。 話したくない事は絶対に 話さない人だった。 こちらがどれだけ懇願しても こちらがどれだけ心配しても 決してお嬢様は折れない。 だから、いつも心配だった。 お嬢様は空になったカップに カモミールティーを注ぐ様子を じっと眺めていながら言った。