俺は咄嗟に立ち上がり 女の元へ向かおうとするが 皆が歩いていく方向とは逆の 方向へと歩き出した。 何から何まで不気味な女だ。 女を追いかけ狭い路地を 抜けると路肩に停まっていた リムジンの前でスーツを着こなした男が その女に向かって深々と頭を下げた。 何者なんだよ、あの女。 声をかける訳にもいかず 俺はタクシーを拾い 女が乗った車を追った。