もっと崎本さんに安心してもらうためには
どうしたらいいのか、聞きたいけど聞けない。
誰も教えてはくれない。

別の事だったら、きっと
崎本さんは教えてくれる。
私にも分かるように丁寧に
教えてくれる。

だけど、崎本さんは肝心な事...
つまり、崎本さん自身の気持ちは
少しも教えてはくれない。

考え事をしていたせいか
随分と長く湯船に浸かってしまった。
ボーッとする頭を冷水で冷やし
脱衣場で服を着ると
心配そうな崎本さんが出迎えてくれた。

遼「あんまりにも出て来ないから
今から見に行こうと思ってた。
顔色悪いけど、大丈夫?」

花恋「少しのぼせてしまったの。
悪いけど今日は休むわ。」

遼「うん。後で水持って行くから。
それと、明日の洋服
出しておいたから。」

花恋「ありがとう。
おやすみなさい。」

遼「おやすみ。」

その日、私は久しぶりに
ゆっくり眠る事が出来た。

驚いた。私は知らない内に
疲れてしまっていたのだと。