「なぁ、椿ちゃん」


いきなり静まり返ったグラウンド。


ゴクリと息を呑む。



「俺さ……」


────ドキドキ、ドキドキ。


次になんて言われるのかが気になる。


そんなことありえないってわかってるけど、少しだけ期待しちゃう。


だって、利仁くんの顔が真っ赤なんだもん。



「椿ちゃんのこと、好き……だよ」


「え?」


んん?


今の幻聴かな?利仁くんの口から、「好き」って聞こえた気が……。



「きゃぁぁぁーーー!!」


言われた言葉は理解できた。


できた、けど!嘘でしょっ?