あたしは毎日睦月の部屋の前で5分くらい話しかける。

少しでも睦月と繋がってたくて。



「ね、睦月?今日は寒いからストーブ持ってきたよ」



いつものように返事のないドアの向こう側。

あたしはストーブを置いて座った。



「お父さんとお母さんが死んでからいろいろなことがあった。計画をたてたり、家出したり。
今でも少し、刺したことを後悔しているの。
ねえ睦月?
なんでなにも話してくれないの?
今までだってずっといろんなこと言い合ってきたじゃん。
秘密にされると悲しいよ…」





いつものように返事が返ってこないんだと思っていた。

次は何の話しを切り出そうかな…。

そう思って話題を考えている時だった。





「苺香だってそうじゃん」