繋がった手からぬくもりが伝わる。

このままずっと2人でしゃべりながら
睦月は計画のことを忘れてて

ずっとずっと歩いていたら、どんなに楽しいだろう。

「苺香」


「なにぃ?」

「俺が…もし、

もしもの話だけど

社長になるって言ったら別世界の人みたいで嫌いになる?」


あたしは本当にもしもの話かと思って、あんまり深く考えていなかった。



「そうだなぁ…。前よりは遊べなくなるかもね。嫌いにはならないけど…
身分が違うって気になるかもなぁ」


本当にもしもの話、だったらよかったのに。
あたしがあんな答えをしなかったらよかったのに。



そしたら睦月は苦しまなかったんだろうな。



睦月は少し目をふせて


「そっか。だよなぁ。」




とだけ言った。