隼人らしくない。
 そう思うのに会議室に呼び出した隼人を必要以上に注意してしまった自覚はある。

「雅也、どうした。
 隼人に怒るにしてもあそこまで言わなくていいだろ。」

 隼人に付き添って会議室にいた武蔵がもっともなことを言った。

「あぁ。悪い。
 フォローしといてくれないか。
 あいつを買ってるってのもあるんだ。」

 これは本当だ。

 隼人ならお客様の立場に立って物事を見ることが出来る。
 こんなところでつまずいているような奴じゃない。

「それにしたって……。
 また体調でも悪いのか?」

 痛いところを突かれて辛さを吐露した。

「あぁ。
 何日も……やってないんだ。」

 そう。もう何日も。
 前がいつだったか思い出せないくらいに。

「何を。」

「………女と。」

「やってないじゃなくて、出来ないんだろ?」

 ため息を吐いた武蔵が手厳しく指摘する。
 何から何まで見透かしやがって。

 そして無理難題を突き付けて行ってしまった。

「その訳を自分の胸に手を置いて考えてみろ。」

 訳ってなんだよ。
 分かったら苦労しない。

 その上、気分は最悪だ。

 色欲に溺れていればかろうじて忘れられた。

 それが……。