私はずっと気になっていたことを口にする。
「どうして私は南さんでも英里でもなかったんですか?」
『君』と呼んだ最初はまだそこまで信用していないからね。のサイン。
そこから『南さん』や『南ちゃん』を飛ばして『南』だった。
そして…………。
『英里』と呼んだのはあの時だけ。
居心地が悪そうな顔をしつつもボソッと真相を話してくれた。
「俺が呼べば……他の奴も呼ぶだろ?
他の奴に英里って呼ばせたくなかったんだよ。」
そんなことまで?
「それに……飛行機に乗ったら女嫌いになったんですか?」
頭をかいた加賀さんがますます居心地が悪そうに答えた。
「一度だけ寝た女が忘れられないだけ。」
胸が高鳴って加賀さんに抱きついた。
歩みを止め、口の端を上げた加賀さんが意地悪な顔をして聞いた。
「別れた男に抱きついていいわけ?」
ここまで来た私にそんなこと聞くなんて。
「私は別れたなんて思ってません。」
フッと笑った加賀さんが「南の頑固者」とぼやいた。
「じゃまずはタバコを忘れさせてくれる?」
聞き捨てならない台詞に、近づいてくる口元へ手を添えてキスを拒むと質問した。
「まだ吸いたくなるんですか?
もう吸いたくもならないって。」
その手を取って、手のひらにキスをしながら加賀さんは囁くように言った。
「冗談。
南のキスが恋しくて、キスする口実。」
口実なんて……いらないのに。
手のひらのキスの後、そのまま、優しくキスをした。
唇を離した加賀さんが優しいキスに似合わない台詞を口にする。
「会わないって決めてたのに。」
「ダメ……でした?」
「いや。
……南不足で気が狂いそうだった。」
「キャッ。」
抱きかかえられて連れて行かれる。
「自分で歩けます!」
「ダメ。勝手に会いに来た罰だ。」
抱きかかえたまま加賀さんは私の耳元に唇を寄せる。
「嫌だって言っても今日はもう離してやらない。」
甘い囁きに目眩がした。
「どうして私は南さんでも英里でもなかったんですか?」
『君』と呼んだ最初はまだそこまで信用していないからね。のサイン。
そこから『南さん』や『南ちゃん』を飛ばして『南』だった。
そして…………。
『英里』と呼んだのはあの時だけ。
居心地が悪そうな顔をしつつもボソッと真相を話してくれた。
「俺が呼べば……他の奴も呼ぶだろ?
他の奴に英里って呼ばせたくなかったんだよ。」
そんなことまで?
「それに……飛行機に乗ったら女嫌いになったんですか?」
頭をかいた加賀さんがますます居心地が悪そうに答えた。
「一度だけ寝た女が忘れられないだけ。」
胸が高鳴って加賀さんに抱きついた。
歩みを止め、口の端を上げた加賀さんが意地悪な顔をして聞いた。
「別れた男に抱きついていいわけ?」
ここまで来た私にそんなこと聞くなんて。
「私は別れたなんて思ってません。」
フッと笑った加賀さんが「南の頑固者」とぼやいた。
「じゃまずはタバコを忘れさせてくれる?」
聞き捨てならない台詞に、近づいてくる口元へ手を添えてキスを拒むと質問した。
「まだ吸いたくなるんですか?
もう吸いたくもならないって。」
その手を取って、手のひらにキスをしながら加賀さんは囁くように言った。
「冗談。
南のキスが恋しくて、キスする口実。」
口実なんて……いらないのに。
手のひらのキスの後、そのまま、優しくキスをした。
唇を離した加賀さんが優しいキスに似合わない台詞を口にする。
「会わないって決めてたのに。」
「ダメ……でした?」
「いや。
……南不足で気が狂いそうだった。」
「キャッ。」
抱きかかえられて連れて行かれる。
「自分で歩けます!」
「ダメ。勝手に会いに来た罰だ。」
抱きかかえたまま加賀さんは私の耳元に唇を寄せる。
「嫌だって言っても今日はもう離してやらない。」
甘い囁きに目眩がした。

