自分への不甲斐なさを感じながら雅也が帰った後に南ちゃんへ、もう出てきていいと声をかけた。

 それなのに出てこない南ちゃんに心配になって机の方を退かすと小さくうずくまった南ちゃんは泣いていた。

「ごめん。聞かない方が良かった?」

 雅也の本心が聞ければ……と思っていたけど、南ちゃんには酷だったか。
 そんな反省を浮かべていると南ちゃんは首を振った。

「いいえ。違うんです。
 つらいけど、嬉しくて。」

 俺ですら南ちゃんが可愛くて仕方ないわ。
 雅也は本当にいい子に好かれたよ。

 南ちゃんが落ち着くのを待ってソファの方で改めて話した。