仕事を終わらせ、オフィスの外へ飛び出す。



あれ…?




さっきチラッと、柚の姿が見えたと思ったのは、気のせいだったのだろうか。




そこに柚の姿はなく。



デザイン課のオフィスを覗こうとしたら…





「琉偉、柚奈は?」




ちょうどオフィスから出てきたあーみんに、そう問いかけられた。




「え、柚いないの?俺、一緒に帰ろうって言われて、ここで待ち合わせだったんだけど…」




「もう30分くらい前に出てったわよ。それに、一緒に帰ったほうがいいってあたしが言ったんだもの。」




心配そうに辺りを見渡しながら呟いたあーみん。



そんなあーみんの言葉が引っかかった。






「一緒に帰ったほうがいいって…どういう意味?」




首を傾げる俺を、あーみんは人があまりいない自販機の前まで連れて行った。




「今日になって突然、社内で噂になってんの。あんたと芽衣が付き合ってるって。」



「は?俺と芽衣!?」



どういうことだよ、それ。