傷を負った少女

「知らないよね?」

「分かんないっ……」

頭が混乱し過ぎて、私は頭を抱えてしまった。

「分かんないよっ……」

「君……藤沢夏美?」

「……っ!なっ、なんで知ってるの……?お兄ちゃんとは、初めて会ったんだよ?」

「よかった……」

そう呟いたお兄ちゃんの顔は、悲しそうだった。

改めて見ると、カッコいい。

「俺、春山海斗」

「春山、海斗……」

「夏美と、同じ年」

「じゃあ、きゅ……じゃなくて、16歳?」

「そう」