「美羽が食べてるのそれ美味しい?」




樋口くんが聞いてきた。




「美味しいよ?」




「ちょっとちょうだい」




「え、食べかけだけどいいの??」




「美羽ならいい」




最近よく聞く…。美羽ならいいよって…。




樋口くんは私の使っていたスプーンで私の食べてるドリアを口に運んだ。




関節キス…してるってことだよねこれ…。




「どう…?美味しい…?」




「ん、うまい」




「よ、よかった」




少しとかいいながら何口か食べてた。




私の体温が上昇しているのがわかっていたけれど、お店の照明がオレンジ系の電気だったので、顔が赤くてもなんとかごまかせてた。




樋口くんはデザートにケーキを頼んでいた。




美味しそうに食べる樋口くんの顔を見ていたら「1口食べる?」っと聞いてきた。




「え、いいの?」




「いいよ」




一口もらうことにして、樋口くんの食べかけのケーキを口に運ぶ。




「ん、これおいしい!」




「だろ?美羽ならそう言ってくれると思った」




「そう…?」




「ああ、俺と同じように思ってくれてよかった」




ずるいな…。樋口くんにそんな事言われるとキュンってしちゃうよ。