「んん〜!!おいしいっ!!」




寄り道してクレープって青春って感じ!!




「樋口くん美味しっ?」




「ん、うまい」




幸せそうな顔して食べてる。




頑張って声かけて一緒に来れてよかった。




「麗香、1口ちょうだい?」




「いいよ、はいっ」




私の口元にクレープを差し出してきた。




ちなみに麗香が頼んだクレープの中には

生クリームとチョコとバナナが入ってる。




「麗香のも美味しい!」




樋口くんの視線を感じた。




「樋口くん…?な、なに…?」




「お前生クリーム口に付いてるけど

恥ずかしくねえの?」




「なっ…、普通に言ってくれればいいのに」




顔が…あつい。




恥ずかしいに決まってるじゃない。




絶対ほっぺた赤くなってる…。




「ほんとだ、美羽?じっとして」




麗香がポケットティッシュを取り出し




私の口元を拭いてくれた。




「お前、自分じゃ何にも出来ねえの?」




「ちょ…、涼哉言い過ぎだよ」




早川くんが注意してくれてる…。




何でも自分で出来るようになりたいのに。




頭ではわかってるつもりよ。




これから頑張るの。




まだ入学したばっかだし。




「子供っぽくて悪かったわね…。

自分でも分かってるんだから

つっこまないでよ!」




「何怒ってんだよ」




「それに…、私…お前って名前じゃない!

私には、みっ…『美羽だろ?』」




「えっ…?」



今なんて…?美羽って呼んだ?





「なんで知って…」




戸惑った。




「クラスでの自己紹介の時名前言っただろ?

それで覚えてた」




「ひ、樋口くん覚えてくれて…たの……?」




「ああ」




「うれしいっ…これからも名前で呼んで!」




まさか樋口くんが私の下の名前を

覚えてくれてたなんて。




「わ、わかったよ」