休み時間になった。
「あ、あのっ…樋口くん!」
黙って樋口くんが私の方を向いた。
「飴ちゃんあげる…!
だから樋口くんの事教えて!」
飴ちゃんあげるだけのはずが…
「飴はもらうけど、話したこともない
お前に何で俺の事教えなきゃなんねえの?」
そっ…そうだよね。確かに。
私もいきなり私の事教えてなんて
言われてもびっくりしちゃうし。
「私、樋口くんに一目惚れしたの!」
「ちょ、ちょっと美羽?
そこまで言う必要…」
麗香が驚いてるのも無理ない。
「はぁ…?」
樋口くんが戸惑ってる……。
「だからね、樋口くんのこと知りたいの」
素を出すって決めたもんね。
素直に言おう。



