「はいっ、おしまい!我慢できてえらいな」と私の隣に座って、頭を撫でてくれる樋口くん。
あっ……、お礼…言わなきゃ…。
「ありがとう樋口くん」
「いいよ、これぐらい」っと笑顔で言ってくれた。
今…、樋口くんに告白したら……。
受け入れてくれるかな…?
好きって伝えたい!
今しかない…、
とそう思った。
「ねえ、樋口くん」
「どうした?まだ他に痛いとこあるのか?」
「ううん、違うのっ…」
「じゃあなんだ?」
「好きなの!」と言うと樋口くんは、
「急になんだよっ……」と顔を赤くしていた。
「私、ずっと樋口くんの事好きだった」
「甘いもの食べてる樋口くんの表情も」
「みんなは知らないかもしれないけど……」
「本当は優しくて自分なりに気遣ってくれる樋口くんも」
「全部全部、好き!」
「知ってたよ」
「そうだよねっ…」
「私初め話した時に一目惚れしたって言ったもんね…」
「あぁ」
「樋口くんは…?私の事どんなふうに見えてる…?」
「美羽は、いつだって一生懸命で、優しくて、誰よりもみんなの事考えて心配して」
「迷惑かけないようにって1人で頑張ろうとして」
「初めはなんだこいつ、いきなり一目惚れしたってなんだよ?とか思ってたんだけど…」
「最近の美羽、どんどん可愛くなって気づいたら美羽の事考えるようになってて」
「近くにいてくれないと俺が不安で心配で……」
「えぇ、?それって…」
「俺も、美羽のこと好きだよ、いや…大好きだ」
「こんな私と付き合ってくれる…の……?」と聞いてみると
「美羽がいい、美羽じゃなきゃ嫌」と私の事を強くぎゅっーと抱きしめて樋口くんが言った。
「嬉しい……」
「俺も美羽と付き合えるなんて嬉しいよ」
「ねえ、樋口くん…キスしてもいい……?」と少し体を離して、聞いてみると
「…んっ……んんっ…」
私の声がもれた。
樋口くんが私にキスをしたのだ。
やっと呼吸できると思い、「はぁ…」と息をすると
「それと今日から樋口くんじゃなくて、涼哉だから」と言ってきた。
それから私達は恋人になった。
樋口くんとキスした時、
ほんのりいちごの甘い感じがしたのは…
涼哉くんと私、2人だけの秘密。