放送委員のアナウンスがなる。
“続いて、綱引きの決勝戦です。全員参加ですので、学年ごとに入場門の前に整列してください”
私達はクリームパンを食べ終えて、入場門に移動した。
やばい……、勝てるか不安になってきた。
並びながら下を向いていると…、「どうした?」
と話しかけてきたのは樋口くんだった。
「あっ、ううんっ…… ちょっと緊張してただけ!」
「ほんとか?体調悪かったりしない?」
「だ、大丈夫だよ??」
「そうか、ならいいけど…… なんかあったらすぐに言えよ?」
「わ、わかった!」
あ〜……、優しいなぁ。
気遣い出来るとこほんと優しい、ほんと好き。
そんなことを考えてたら、体温が上昇してきて急に熱くなってきたので、あっ、やばいっ、落ち着こう。
と思って、深呼吸をした。
綱引きが始まった。
3年生の負けた方同士から競う。
3年2組と、3年4組が縄の前に移動して 。
スタートの合図とともに、引っ張り出すのだが……。
フライングしたらしい。
やり直しするために、先生達が止めにかかった。
今度はフライングしないようにと注意される3年4組。
もう一度合図がなった。
注意しすぎてか引っ張るのが遅くなる4組。
それがあだとなったのか、負けてしまった。
次は3年の勝った方が競い合う。
3年1組と、3年3組。
赤団が1組、黄色団3組だ。
合図とともに引き合う。
両者とも同じぐらいの力なのか、全く縄が動かなかった。
しばらくするとようやく動き始めて、
結果は……、負けてしまった。
次は、2年生。
負けた方の2年1組と2年4組は、2年4組が勝った。
一方、勝った方の2年2組と2年3組の勝負は、2年3組が勝った。
次は私達、1年生の番がやってきた。
緊張で手汗が出る。
まずは負けた方が勝負する。
1年1組と1年3組。
合図がなると両者とも一気に引っ張り合う。
1年3組の方が力が弱いのか、足も滑(すべ)って引きずられていく。
止めるのに一生懸命だった。
でも結果は、1年1組が買った。
次は私達、勝った方の番だ。
1年2組と1年4組が競う。
合図と同時に私達は引っ張った。
予選で言われた通りに腰をにくくして、息をあわせて、せーの!せーの!と言いながら引っ張った。
すると、3回目ぐらいでもう私達の勝利が確定した。
私達は「やったあ!!また勝てた!!」と舞い上がった。