ピピピピッピピピピッ




私のうるさいアラームがいつものように鳴った。




顔を洗って、スキンケアをする。




「お母さん、おはよう」




「あら、起きたのね…おはよ」




「お母さん、置き手紙見てくれた?」




「ええ、見たわよ…」




「よかった、ちゃんと見てくれたんだ!」




「いつ会いに行ったの?」




「昨日だよ!」




「そう…」




私達は話をしながらお弁当のおかずを作っていた。




「お母さんはどう思ってるの?」




「あの人ね、ちゃんと断ることが出来ないなんて優しさじゃない、ただの都合の良い人だって言って自信無くしちゃってね、そのせいで浮気性も直らないって言ってて、そのまま出ていっちゃったのよ」




「そうだったんだ…」




お父さんの言ったとおりだ。




「お父さんが出ていったあと、美羽になんて説明しようって考えた時に離婚したって言うのが一番だと思ったの、そのまま帰って来ないと思ってたから…お父さんと私、本当は離婚してないのよ、だから私はお父さんが帰ってくるならいつでも受け入れるわよ」




「そっか、よかった……お母さん休みいつ?
一度会ってきなよ!これ、お父さんの今の電話番号と住所が書いてある紙、お母さんに渡しておくね」




「でも仕事が……」




「お母さん?何言ってるの?家族の方が大事じゃないの??」




「そうね…わかったわ、今日にでも会いに行ってくるわね」




「うん!そうして!!」




お母さんは仕事の上司に休む連絡をしていた。




お母さんとの話を終えて、学校の支度をした。




もちろん、梨奈ちゃんに教えてもらったように髪を内巻きにしてナチュラルメイクもした。





「じゃあ、お母さん行ってくるね」




家を出る時間になったので、お母さんに見送られて家を出た。




「おはよう麗香!」




「おはよう、今日いつもよりちょっと元気だね?嬉しいことでもあったの?」




「実は……」




麗香にお父さんに再会したこと、もしかしたら近いうちに家に戻ってくるかもしれないこと、すべて話した。




「そっか、お父さん戻ってくるんだ?」




「うん!お母さん朝から晩まで仕事して家に全くいないから倒れるんじゃないかって私心配だったから」




「良かったね」




「家族に笑顔が増えたらいいなって思ってる!やっぱり、家族って大切な存在だよね!!」




「そうだね!」




「自分のダメなところに気付いて直したお父さんもすごいと思うし、私とお母さん自身の生活費をお父さんがいない間必死になって稼いで、それでも私の心配とか面倒見てくれたお母さんもすごい!」




「美羽もお母さんの事支えようって、家の事1人で頑張ってた!私にはそれもすごい事だと思うよ?」




麗香が言ってくれた。




「ありがとう!!!」




今まで頑張ってきた事がやっと認められた感じがして素直に嬉しかった。