「本当に美羽なのか?」




「そうだよ…!」




タイミング良く、おばさんがミルクティーとスコーンを持ってきてくれた。




「美羽ちゃんこの間急にこの男の子と来てね、お父さん今でも来てるって言ったら会いたいって言うから呼んだのよ」おばさんが説明すると……。




「美羽、そうなのか?なんで俺に会いたいと思ったんだ?」とすぐに聞いてきた。




「私、小さい頃の事あんまり覚えてなくて、お父さんとお母さん離婚しちゃってもう会えないって思ってたんだけど、たまたまここの喫茶店に来たらお父さん今でも来てるって教えて貰って、もしかしたらどんな人なのかわかるかもって思って……」




「そうだったのか、お母さんは?」




「お母さんはお父さんが出てった後、私と一緒に生活するためにずっと働いてるよ、それでも私の心配までしてくれていつか倒れるんじゃないかって私は不安だよ……」




「そうか、迷惑かけてごめんな…」




「なんで離婚したの?私達のこと今でも心配してるっておばさんから聞いたけどなんで今更心配してるの??」




「それは……お父さんな、昔浮気性だったんだ」




「それは聞いてるよ」と私は口を挟む。




「俺な、いろいろ頼まれたりしたら断れなくてよ、それで浮気もしてたんだ」




私の思った通りだった。




「それで?」




「でもこのままじゃいけないと思って直そうと思ったんだ」




「今はもう直せたの?」




「ああ、もう直したよ」




「そうなんだ……」




「もう1度あの頃みたいになれないかな…?」




「昔みたいに?」




「やっと、だめなところを直せて自分に自信がついたんだ、なにも断れない自分なんて優しさじゃない、ただの都合のいい人だ、だからあの頃みたいに戻れないか、お母さんに話してみてくれないか?」




「わかった……」




「ありがとう、おばさん紙とペン貸して下さい」




「これでいいかしら?はい、どうぞ」




「美羽、これ俺の今住んでいる住所と電話番号だから」と言って私にその場で紙に書いて渡してきた。




「お母さんの返事が聞けたらここに呼んでくれ、お父さんは先に帰るよ」そう言って、私達の頼んだ分まで払ってお店を出ていった。