"鬼"上司と仮想現実の恋

私は、2人を見たくなくて、席を立った。

トイレに行って戻って来たら、石原さんに呼ばれた。

「瀬名さん、一緒に飲みましょうよ。」

私は、誘われるまま、元々上村さんが座ってた席に座る。

「瀬名さん、彼氏いるんですか?」

「いませんよ。」

「じゃあ、俺、立候補してもいいですか?」

「残念ながら、落選しますけど、いいですか?」

「えぇ!?
瞬殺ですか?
もうちょっと、考えるとか、迷うとか
ないんですか?」

「ないです。
迷うほど、石原さんの事、知りませんから。」

「ひどい…」

と言って、石原さんは泣き真似をする。

「ふふっ」

私は思わず、笑ってしまった。