「ボーッとしてますけど、もしかして、部長が
将来の社長だって事、忘れてました?」

「………うん。」

「暁里さん、かわいい〜!
きっと、そういう打算のない所も部長は
好きなんでしょうね。
暁里さんは?
部長のどんな所に惹かれたんですか?」

「ええ〜!?
そんなの分かんないよ。
気付いたら好きになってたんだもん。」

「暁里さん、ほんと、かわいいですね〜。
こんなに鈍くて大丈夫なのかって心配した
事もありましたけど、運命の相手に出会う
まで運命に守られてたのかもしれませんね。」

「え?
私、そんなに鈍い?」

「自覚ないんですか?
暁里さん、超鈍いですよ?
何人の男性社員の好意を無視して泣かせて
きたか、知らないでしょ?」

「うそ?
私、そんなにたくさん、振ってないよ?」

「何、言ってるんですか?
食事の誘いとか、散々断ってたじゃない
ですか?」