「お姉ちゃん、真っ赤だよ。
あの、凶暴なお姉ちゃんが、こんなにかわいく
なるなんて、佐久間さん、魔法使いですか?」

晴(はる)が言った。

「凶暴? 暁里が?」

「私たち、いっつも怒られてるんだから。」

晴がそんな事を言うので、

「あんた達が、失礼な事ばかり言うからでしょ!
ちょっとは、黙るとか、遠慮するとか、
できないの!?」

と思わず、怒鳴ってしまった。

「くくっ
暁里、大丈夫だから。」

悠貴さんは、怒る私の肩を抱いて落ち着かせてくれた。

悠貴さんに怒ってる所を見られた私は、恥ずかしくて、もう何も言えない。

そのまま、真っ赤になって固まっていると、玄関が開いた。

「ただいまぁ。」

父の声だった。