"鬼"上司と仮想現実の恋

「しないよ。
当たり前じゃん。
どうしてもダメなら、SEに戻るし。」

「そうだよな。
ははっ」

田中君は、少しバツが悪そうに笑った。



次の訪問先は、3ヶ月前に納品した所で、ご機嫌伺いのような訪問だった。

和やかに談笑して、不具合や問題点がないか確認する。

「では、また何かありましたら、お気軽に
ご連絡ください。
失礼致します。」

駅に向かって歩きながら、田中君は、

「お茶してこうぜ。」

と言った。

「え?
いいの?」

と私が聞くと、

「俺たち、昼休憩の時間、まだ残ってる
じゃん。」

と言った。