始めこそ毎日大泣きしていたけれど、いつのまにか本当に仕事しに来たって感じになっていた。ただ、控え室で暗い表情で俯いているのは直らなかった。明るい嬢を見ては、何でこんな辛いのに笑えるんだろうと心底不思議に思った。でもそんな子とも仲良くなれて、外にご飯食べに行ったり買い物もした。8割型ホストの為に出勤してる嬢が多いけれど、自分の為にしてる子もいて、私は自分の為になんて絶対やれないなと感じた。ホストの為にも、結局は自分の為にかもしれないけれど、私はホストに見返りを求めはしなかった。本当はあったけれど、聞いても無駄だと思ったから。だけど、ヘルス推奨だった割には、店に呼ばれても大した額を掲示してこなかった。その代わり、『今から来い』等と真夜中に急に連絡してくることが頻繁にあった。特にイベントの日に沢山飲まされるのが分かっているから、必ず呼ばれた。つまり休憩席ってやつ。私の席で、まったり緑茶飲んでお小言を言って寝てって感じだ。確実に私に恋愛感情は持たないであろう綺麗な顔を見てると、美人に産まれて来たかったなと思う事もあった。何故なら彼は面食いだったからだ。性格も明るい方が良いみたいで、私が好かれる事なんてない。分かっていたのに辛かった。ヘルスを続ける限り、私は心から笑う事は出来ないだろう。昔からの友人にも、暗くなったと言われた。そう、もう夜の闇を識ってしまったから。勿論、昔からの友人たちはヘルスを止めてくれた。今でも友人な子もいる。もう死にたいんだ、私。そんな気分だった。精神の病が、もう其処まできていた。