あたしの颯樹の間に何かがふって来た。


言葉を紡ごうとしていた颯樹が絶句する。


あたしも咄嗟には反応できなかった。


上から降って来た大きな物体はあたし達の間に横たわり、ピクリとも動かない。


コンクリートに打ちつけられたその顔は半分が潰れてしまっているが、間違いなく龍のものだった。


「あ……あ……」


悲鳴を上げたいのに喉に声が貼りついている。


颯樹が上を見上げたので、あたしもそれにつられて屋上へと視線を向けた。


咄嗟に隠れる人影。


1人じゃない。


何人もいる。