朝、エントランスホールをくぐると先に歩く沙苗を見つけ声を掛ける。


「沙苗!おはよう。今日からよろしくね」

そう声を掛けると、振り返り微笑むメリハリボディーで童顔の可愛らしい沙苗は周囲から軽く注目の的。
身長も小さめで可愛い彼女の見た目はカワイイ系。
しかし中身は毒舌で、キリキリとした姉御肌の彼女は今日も見た目と中身が合わないながらも、その可愛さで周囲から視線を集める。


「おはよう、菜々子。そのスーツよく似合ってるわよ」

「ありがとう。これで少しは見た目秘書らしくなったかしらね?」

苦笑しつつ返せば


「菜々子は背も高いし、綺麗な東洋美人よね。でも手足も長いからこういうスーツもよく似合ってるわよ」

目は大きい目ながらもやや切れ長で、髪は黒髪のストレート。
長い髪も合わさり見た目は日本人ならではって感じなのが私。
沙苗は小さく地毛で明るい栗色で、肌は色白。
髪は天然パーマでいつも肩につくかつかないかの長さにしてフワッとしている。

二人並ぶと私たちは昔から対照的で、何かと目を引いたものだ。
その実、中身がハキハキしている辺りは同じタイプなので、お互いに付き合いやすく高校入学当初から仲良く付き合ってきた親友と言える相手。

そして互いにお世辞なんてうまい事言える性格ではないのでこれは確実な褒め言葉。

「ありがとう。でも私、沙苗にはすっごい聞きたいことがあるわ」