そうして買い物したりとブラブラ歩いた後、再び車に乗ると今度は別な海沿いのアウトレットに。

まだ買う気か?と胡乱な眼差しを向ければ。

「あ、ここでは自分の欲しいものを見に来たんだよ」

どうやら私の目線だけで、言いたいことは伝わったようだ。

「それなら良いんですけども…」

しかし、アウトレットは心躍る!
好きなブランドの商品がお手頃価格で買えたり、たまに試作品の放出でかわいい服が超プチプラで買えたりするのでこの系列のアウトレットには実はたまに行くのだ。

そんな目の色変わった私に気付かない専務ではない…


「ここ、来たことある?」

「ここは初めてですけど同じ系列の○○アウトレットには行ったことあります。実家から近かったので…」


そう言うと、納得みたいな顔をしたあと


「俺はスポーツブランド見たいんだ、付き合ってもらっていい?」

「はい。大丈夫ですよ」

そうして某有名ブランドに入るとシューズコーナへ行く専務。

「サッカーですか?」

「ん、フットサルの方ね。大学時代の仲間と今でもたまにやるんだ。靴がだいぶ傷んだから新しいのが欲しくて」

そう言うと色々並ぶ中から、何足か迷ってるみたい。
全部買えるだけの余裕はあると思うけど、そこは迷って買うのね。
ここに来て初めて普通の人っぽい所を見て、何だか胸がホワッと温かくなる。