「昨日もスーツやドレス買っていただいてて、それにアクセサリーまで送られてくるし…。それでいて今日もとか、私は一秘書なんです!そんな私にお金かけないでください!!」


ガツンと言った、言ってやった!


「ほら、俺仕事忙しいだろ?んで、独身だろ?で、仕事は役職者だからそれなりに貰ってるよな?お金は貯まってくわけ。こういう時に使わないとな」

ニヤッと笑う姿もカッコイイって…

あぁ、もう違う!流されるな、私!


「ソレとコレとは繋がりません!私は秘書なのに!こんなにされても、いたたまれなさしかありません!」

「そうか…。ただ、ありがとうって言ってくれるだけで俺は嬉しいけど。笑顔付きだと尚嬉しいかな?そんな為にこうしちゃう馬鹿な男だと思えばいいよ」

再び繋がれた手は、大きく温かい。

確かに、文句ばっかり言って買ってもらったのにお礼も言ってないのはおかしい、私が悪い。


「ありがとうございます…。でもあんまりポンポン買い与えないで下さい…」

「うん。菜々子はこういうのを喜ぶタイプじゃないもんな。むしろ食べたい物食べてる時の方が幸せそうだ。そうか!餌付けするしかないか!」

あ、閃いたみたいな顔して言うのが、それなの?

私はその反応にまたもガクッと精神を削られるのだった。