「こんにちは。良かったら今日もドライブに行かないか?」
爽やかに言うが本日、時刻は十時半。
出かけるには丁度いいのか?
でも出かける意味も無いしな…
私は自問自答で黙ってしまった。
すると
「何か今日は予定があるのか?」
「いえ…」
「じゃあ、気晴らしに出掛けよう。天気も良くて暖かいし、ドライブ日和だろ?」
その問に、頷き私はこう答えた。
「十五分で支度するので少し待ってください!」
こうして、私は慌ててメイクをして服を着替えると、カバンに財布とスマホと持ち歩きポーチ等を詰め込む。
最後に玄関で靴を履き、靴箱の上の鍵を手に取りドアを開けた。
その先に見えるのは、アパートのすぐ前に停められた昨日も乗った白のSUVの外車に寄りかかって待つ専務だった。
「お待たせしました!」
慌てて来た私に専務は
「そんなに待ってないし、そこまで急がなくても大丈夫だよ?」
クスッと笑うと、乱れた髪を梳いて耳にかけてくれる。
サラッと、サラッとイケメン行動する!!
カチーンと固まった私にまた、笑って助手席のドアを開けて乗せてもらった。
その行動はどこまでもスマートで、女性に慣れてるんだなと思って、何故か私はモヤッとしたのだった。