由真と話しあいながら書類の訂正を行うと、
「じゃあ、私の方から直して課長に提出するね」

「はい、お願いしまーす」

美都は由真の手から書類を受け取った。

「森坂さん、珍しいですね。

スマホをデスクのうえに置いているなんて」

気づいたと言うように、由真が声をかけてきた。

「えっ…ああ、うん」

曖昧に笑いながら首を縦に振ってうなずいた美都に、
「何か大事な連絡を待っているんですか?」

由真が聞いてきた。

「そう言う訳じゃないんだけど、ちょっと気になることがあって…」

「もしかして…」

由真はキョロキョロと首を動かして周りを見回した後、声をひそめた。

「もしかしてとは思いますけど、彼氏さんとかじゃないですよね?」

そう聞いてきた由真に、美都の心臓がドキッ…と鳴った。