アスカラール

「私もです」

美都は言った。

「私も、今日が誕生日なんです」

そう言った美都に、
「えっ、そうなの?

言ってくれればプレゼントを用意したのに…」

成孔は信じられないと言った様子だ。

「先ほどの私と同じことを言ってますよ」

美都はクスクスと笑いながら言った。

「でも、そう言うのは言って欲しかったよ」

成孔は仕方がないと言うように息を吐くと、
「来年の誕生日は用意するからね」
と、言った。

「お待たせしました」

ウエイターがシャンパンを持ってやってきた。

テーブルのうえに並んだグラスに薄い金色の液体が注がれた。

「それじゃあ」

成孔と美都はシャンパンが入ったグラスを手に持つと、
「お互いの誕生日を祝って、乾杯」

そう言って、カチンと美都と一緒にグラスをあわせた。